この記事の要点
- 神奈川県に住む高橋さんは、母が相続した京都府福知山市の農地11筆を管理できず、手放す方法を探した。
- 地元の不動産会社には断られ、相続土地国庫帰属制度も調べたが、現地の状態を見て難しいと感じた。
- 農業委員会で非農地証明の手続きを進め、並行して土地を引き受ける人を募集した。
- 約10~15件の問い合わせから、残った農地も一緒に受け取る意向のある人を選んだ。
- 地目変更では境界の確認に苦労したが、関係機関に問い合わせを重ね、11筆を譲ることができた。
相続して初めて知った京都府福知山市の農地11筆――手放すまでの道のり
相続で突然現れた「知らなかった農地」
荒井達也負動産の窓口の荒井です。今日は管理できない使わない土地を手放した方にインタビューさせていただけることになりました。
今日は高橋さんに来ていただいています。高橋さんこんにちは。



こんにちは。



今日はいろいろとお話をお聞きしたいんですけど、今回高橋さんが手放した土地はどの辺にある土地ですか?



京都府の福知山にあります。



福知山というと京都駅からも時間かかりますよね?あれ1、2時間くらいかかるんでしたっけ?



2時間ぐらいはかかるところです。



高橋さん自体は何地方とかにお住まいなんですか?



神奈川県に住んでいます。



土地の種類としてはどういう種類の土地を手放されたんですかね?



農地です。



今回京都府福知山の農地を手放した話っていうことでお伺いできればと思います。
今回手放した土地なんですけど、元々どなたの土地だったんですか?



父が持っていたもので、父が亡くなって母が相続した土地です。



お母さんご健在で良かったんでしたっけ?



はい。



お母さんに代わって、お母さんの窓口的に高橋さんが動いていたってことですよね?
お母さんがこの土地を相続したのっていうのは大体何年ぐらい前なんですかね?



2年ぐらい前だったと思います。



2年ぐらい前に相続した時に、元々この土地のことはお母さんも高橋さんもご存じだったんですか?それとも相続して初めて知ったんですか?



相続をして初めて知りました。



お父さんの名義だったっていうことなんですけど、お父さんの実家になるんですかね?



そうです。



空き家とかはなかったんですかね?



はい。
神奈川から福知山へ――「うちでは管理できない」



家はなくて土地だけ残っていて、手続きをしてみたらいろいろとあるらしいぞと。
このまま管理したり持ち続けるのは難しいなと思ったのは、大体相続してどれぐらい経ってからなんですか?



父の実家に土地があることを知って、うちでは管理できないし持っていたくはないので、さてどうしようって問題になって早く手放したいという気持ちはありました。



高橋さんは神奈川だし、お母さんはどの辺にお住まいだったんですか?



神奈川県に住んでいます。



神奈川から京都っていうと、新幹線で行っても2時間ぐらいかかるし、そこからさらに現地へ行くのに2時間かかるってなると、頑張れば日帰りできるけどぐらいの距離感ですかね?そういった土地を管理しろと言われても結構しんどいですよね。



はい。
不動産会社から返ってきたのは「無理です」



これもずっと持ってるもんじゃないなっていうところに早々に至ったということだと思うんですけど、手放そう整理しようと思った時に一番最初にしたことって覚えてますか?



不動産屋さんに行けば何とかなるんだろうなと思って、まず福知山の不動産屋さんに適当に電話をして、あとはサイトで調べたらすぐに何軒か不動産屋さんからメールが来て、それで折り返しの電話をして話したところ「無理です」っていうので、そこから現実を知り始めたという。



ちなみにそれは福知山という言葉が出てからそうだったのか、それとも福知山の農地の話が出てからそういう反応だったのか、何か覚えてますか?



私自身が農地かどうか何だかっていうのもわからなくて、住所を言ったところ不動産屋さんが多分調べたんだと思うんですけれども、それで「ここは無理です」というのと、あと農地だというのを調べたのかわからないんですけど、農地法という法律があって「農地法って何だろう」ってそこからいろいろと知り始めたのがきっかけです。



不動産屋さんに門前払いというかそういう対応だったってことなんですが、その後は次に何にチャレンジしていくんですか?
「20万円で国に返せる?」希望の後に見えた条件



その中の1軒の不動産屋さんがすごく親切で、「そういう土地であれば土地国庫帰属法があるよ」と言われて、「20万円払って土地を国に返せるんだったら大丈夫じゃん」と思って調べていくと、いろんな条件があって、私自身見たことがない土地なので不安になり始めて、そこからいろんなYouTubeとかSNSとか調べ始めたのがきっかけです。



アップダウンがありますよね。最初は不動産会社から折り返しの連絡があって、手放せると思ったら断られて、国庫帰属制度があると聞いていけると思って調べていたら大丈夫なのかしらって浮き沈みをすごく感じますけど。



はい。



現地を見ないとなかなか国庫帰属の判断とかっていうのはできないとは思うんですが、現地は行ったことあるんですか?



はい、行きました。
「知識よりも行動力」――相談を経て現地へ



それは国庫帰属制度の話を聞いてから行ったんですか?



荒井先生の相談窓口でお話をさせていただいて、地図を一緒に見させていただいて「多分この辺だろう」っていうので丸をつけていただいて、「見たことないんだったら見てもいいんじゃないか」っていうお話を伺って、そのあと先生のセミナーがあって、その時に「知識よりも行動力だ」っていうのすごく印象に残って、「行動力か」と思って行って来たんです。



先に無料相談を受けていただいたってことですよね?



その前に福知山の法務局だとかそこにも電話したり、いろんなサイトを見て寄付ができるとか自治体がサポートするのがあるっていうのを聞いて、福知山に連絡したり、あと土地開発ないかとかいろいろと聞いて、どんどん蓋閉められていくような感じで。



ちなみに私に最初に相談してもらったのは、不動産会社さんに「国庫帰属制度あるんじゃないの」って言われてから割とすぐだったんでしたっけ?



しばらく先生のYouTubeをずっと見ていて、相談してみようかなと思って相談をしました。
バスはわずか、道は獣道。現地で見た農地の姿



現地見たときの感想というか、こう思ったみたいなのって何かありますか?



まず行ったところがまともに行けるようなところじゃなかったっていうのがあって、農業委員に相談に行ってそのついでに土地を見に行こうと思って、「農業委員の方との相談の施設のところから現地見に行くんですが」って言ったら「まずトイレ行ってから行った方がいいよ」と言われて、そこの駅の周りにトイレもないっていう現実を知って、バスも平日の通勤通学の時間帯しかないっていうので全部調べて行って、その農業委員の親切な方が「まず自治会長さんの家に訪ねて行った方がいい」と言われて、自治会長さんのお家に行って、そのお家からまたさらに車で山をずっと登っていったところで、行ったらその自治会長さんに教えていただいたところが「ここは獣道でね」と言われて、
ちょうど秋に行って草ボーボーで、こんなところ国庫帰属法なんて無理と思って、
ジブリの世界観というか。もうそんな感じです。



1日かけて行ってきたってことなんですけど、はい。
その時の気持ちっていうのはどういう気持ちだったんですか?



訪ねて行った方もすごくいい方で、場所もすごくのどかな感じでとってもいい場所だなというイメージがあったんですが、自分では住まないなっていう。果たしてこういうところを欲しいっていう人がいるんだろうかっていう不安と、この後どうなるんだろうっていう先が見えない感じはありました。
「自分の手には負えない」――母と決めた次の一歩



徐々に活路が奪われていってしんどいですよね。私も現地を見に行くことあるんですけど、だいたいは「とんでもないな」と思って帰ってくることが多いので、気持ちはわかるというか。
そういう形で現地行った後、お母さんとかとも話したんですかね?



はい、話しました。



どうしようみたいな感じになったんですか?



もう一度現地を見て自分の手には負えないなっていうのもわかって、「先生にお願いしよう」っていう母と話をして相談をさせていただいて、



それがざっくり1年ぐらい前なんでしたっけ?



はい。



一緒にやりましょうかっていうことで始まって、
山林化した農地も。非農地証明と11筆の譲り先探し



最初に何をしたとかって覚えてます?



最初にしたのはSNSに載せて募集するとか、そういうお話をさせていただいて、私はもうわからないんでお願いしますって。



欲しい方探しましょうっていうことで。あと農業委員会に非農地証明の手続きってしませんでしたっけ?



はい、しました。



農地なんだけど山林化してるところも結構あったりして、確か土地の数は全部で10筆くらいでしたっけ?



11筆でありました。



その中で割と山林化できますねって言われたやつが2筆以外とかでしたっけ?



ほとんど再生不可能で。
飲食店、狩猟、ソロキャンプ――寄せられた意外な関心



農地として再生困難っていう風になって、それで地目が田んぼとか畑だったのが山林とか原野とかに変わっていくことだと思うんですよね。そうすると農地法の適用も外れていくので欲しい人も探しやすくなるってことで、農地としてだけではなくても山林としても欲しい人を探しましょうと。
当社の掲示板サイトとかいろいろ募集させていただいたと思うんですけど、どういう問い合わせがあってとか覚えてますか?



印象に残ったのは、レストランか何かをやっていて、自分で野菜を作ってそれをお店に出したいとか、あとはソロキャンプとか、あと猟をしていてそこをベースに何かやりたいっていう。



意外に問い合わせがちょこちょこありましたよね。最終的には10件から15件ぐらいあったと思うんですけど、
その上で現地見てもらって欲しいっていう風に言ってくれた方いたと思うんですが、どういう方だったかとか覚えてます?



1人の方は猟をしてる方で、こういうご時世なのでその土地に貢献できるんじゃないかっていうお話だったり、あとはソロキャンプをしたいっていう方で、11個もどうやってソロキャンプするんだろうって全然イメージつかなかったんですけど、
残った農地も引き受けてくれるか――譲り先の決め手



他方で最後まで農地になっちゃったところもあったじゃないですか。今回お譲りした方ってそれも貰ってくれるみたいな話になったんですよね。



はい。



その方お住まいどの辺だったか覚えてますか?



神戸の方って伺ってます。



福知山から少し距離があって、農業委員会の許可が下りるのかなっていうのも半信半疑だったんですけど、残った農地が面積そんなに大きくなかったじゃないですか。農業委員会の審査もそんなに厳しくないというか割と許可もすんなり下りてお譲りする方向になったかなと思うんですが、
その方にお譲りするっていうことに関して、お母さんと話したり高橋さんの中で葛藤みたいなのとかってありました?それともすんなり行ったんでしたっけ?



すごく考えました。世の中に貢献できるっていうんだったら、猟をされてる方だったらその周りを守ってくれるのかなとか。でも農地を一緒にもらっていただけないかっていうお話で「うーん」ってちょっと悩まれていたのがどうだろうと思って、もう一方は農地の譲り受けに対して前向きなお答えだったので、あとはその方が現地にすぐ見に行かれて写真も撮って、その情報を先生にお話しされていたのもすごく信頼できたので、ソロキャンプってなんだか私にはよくわからないんですけど使っていただけるのであればと思ってお願いしました。



農地に関しては残りが2筆ぐらいだったら国庫帰属チャレンジしてもいいかなと思ってたので、ただ国庫帰属も1年ぐらいの期間をみないといけないし、できればまとめて引き取ってくださる方がいいなと思ってたので、結果的にお譲りできてよかったなと思いますけど、
「どこに電話すれば?」境界確認で行き詰まった地目変更



お譲り先が決まった後は農業委員会の手続きとか、契約書だったり名義変更だったりいろいろ手続きありましたけど、何か大変だったなと思うところありました?



地目変更が1つの土地が境目のところが河川なのか隣の人の家なのか、それともうちなのか国のものなのか、はっきりしなければ許可出せませんって言われて「どうしよう」と思って、とにかくどこに電話すればいいんですかって聞いたら「どこどこに電話してください」って言われて、どこどこに電話したら「うちではちょっとわからないんで、どこどこに電話してください」って言われて、そこに電話してもわからなくて、もう本当にダメだと思って国土交通省そこにも電話したら、結局福知山の法務局紹介されて連絡をしたらまた同じ人が電話に出られて、「もうわかりません」って言ったら「わかりました、何とかしましょう」って言われてハンコを押してもらったっていう。



地目変更って土地家屋調査士じゃないと代理申請ができないので、どうしても最低限のお手伝いだけしてお願いしますとお伝えしてたと思うんですけど、いろいろあったんですね。ありがとうございます。
「悩んでいるのであればまずやっちゃおう」高橋さんの実感



同じように負動産を手放したいけど手放せないっていうので悩んでる人たくさんいらっしゃるんですが、何かそういった方向けにアドバイスいただける事ってありますか?



最初にセミナーで一番印象に残った言葉が「知識よりも行動力だ」っていうので、本当に「行動力だな」と思って、まず現地に行って自治会長さんに会ったり、車で送り迎えをしてもらい、その自治会長さんが作ったお米をいただいて帰ってきたり、あとは行き詰まっても何とかなると思って、地目変更でもとにかく言われたとおりにどんどん電話をして行動していった結果が、こういうふうにできたんだなーっていう。



ご立派だと思います。私から見ても高橋さんすごいなっていう、いろいろ物語があったなっていうのは感じました。
最後何か一言、もしくは振り返って一番印象に残ってるなとかって何かありますか?



やっぱり行動を起こしたことで全部が蓋開けたらうまくできたっていうところなので、悩んでいるのであればまずやっちゃおうっていうところで。最初のセミナーの時にも「トライアンドエラー」っていう言葉、失敗してもやっていけば何とかなるさっていう強い味方の先生がいるので、そこを信じてやっていけば何とかなるって伝えたいです。



それでは高橋さん、今日は貴重なお話ありがとうございました。



ありがとうございました。
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この体験談は、負動産の窓口へ相談した高橋さんが、相続した京都府福知山市の農地11筆を手放すまでを語ったインタビューです。地元の不動産会社に断られた経緯、現地での戸惑い、譲り先探しや地目変更で苦労したことも、ご本人の言葉で紹介します。「負動産の窓口の口コミ・評判」を調べている方は、結果だけでなく途中の過程も参考にしてください。
聞き手:荒井達也(弁護士・合同会社負動産の窓口代表社員)。冒頭の要点と見出しは編集上の整理です。対談部分は元のインタビュー動画に沿って、発言者が分かる形で掲載しています。
