【いつから?】2021年民法相続法改正で相続放棄者の管理義務・責任(民法940条)が変わる!【2023/4/1から】

制度の解説

 2021年(令和3年)に民法(相続法部分)が改正されました。この改正により、相続放棄をした方の管理義務に関するルールが変わります。

 新しいルールの適用開始時期(施行時期)は、2023年(令和5年)4月1日です。

 相続放棄をしようと思っても、管理責任が残ると聞いて、相続放棄をすべきか不安な方は是非ご覧ください。

この記事を書いた弁護士

弁護士 荒井達也

群馬弁護士会所属。日本弁護士連合会所有者不明土地WG幹事、前橋市空家対策協議会委員を務める。主な著書に『Q&A 令和3年民法・不動産登記法改正の要点と実務への影響』(重版5刷)がある。負動産の相談実績多数。

相続の放棄をした者の管理義務の明確化

 改正前民法では、相続の放棄をした者は、相続財産の管理を継続しなければならないとされていました(改正前民法940条1項)。

【参考】改正前民法940条

(相続の放棄をした者による管理)
第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。
2 第六百四十五条、第六百四十六条、第六百五十条第一項及び第二項並びに第九百十八条第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。

 この条文を見ても、管理義務の発生要件や内容が明らかでないため、相続の放棄をしたのに過剰な負担を強いられるケースもあると指摘されていました。例えば、空き家が相続放棄により増加していることを踏まえ、一部の自治体が本条の存在を指摘して管理責任を追及するケースがあると指摘されています(日経新聞電子版2016年1月27日3:30「相続放棄でもなお管理責任」参照)。

 もっとも、国が出した通達によると、相続放棄者は、改正前民法940 条により相続財産である空家を管理する義務を負うが、この義務は後に相続人となる者等に対する義務であり、地域住民などの第三者に対する義務ではないとされています(国土交通省住宅局住宅総合整備課及び総務省地域創造グループ地域振興室平成27年12月25日付け事務連絡)。

 そこで、改正法では、相続放棄者の管理義務・責任を明確化する観点から、相続放棄者は、①相続の放棄の時に現に占有している相続財産につき、②相続人(法定相続人全員が放棄した場合は、相続財産の清算人)に対して当該財産を引き渡すまでの間、③その財産を自己の財産におけるのと同一の注意をもって保存しなければならないとされました(改正後民法940条1項) 。

 なお、この義務が市町村等の第三者に対する義務ではない点については旧法と同様です。

【参考】改正後民法940条

(相続の放棄をした者による管理)
第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない
2 第六百四十五条、第六百四十六条並びに第六百五十条第一項及び第二項の規定は、前項の場合について準用する。

 例えば、亡くなった方の配偶者とお子さんが相続放棄を行い、たまたま相続人になったご兄弟の方やそのお子さん(姪・甥)は、亡くなった方が所有する建物に実際に居住するなどしておらず、「放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有」していなければ、相続放棄を行っても改正後民法940条1項の義務を負わないことになります。 

おわりに

 いかがでしたか?今回は2021年(令和3年)の民法改正により改正されることになった 相続放棄者の管理義務・責任の見直しのポイントを解説しました。

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弁護士 荒井達也

太陽光発電等の法律業務に携わる中で所有者不明土地や空き家の問題に直面し、法の不備を痛感。日弁連を通じ法改正に携わった後、現場に戻り問題解決に尽力しております。無料相談は私が対応します。

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