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速報解説!必要書類が判明!相続土地国庫帰属法施行規則とは?(条文掲載あり)

目次

相続土地国庫帰属法施行規則が公表されました!

2023年1月13日に、相続土地国庫帰属制度の申請必要書類等を定めた『相続土地国庫帰属法施行規則』が公表されました。

なお、この規則は、パブリックコメントという手続を経ており、そこで法務省から国民の質問に対して回答がなされています(ここでの法務省の回答を以下「パブコメ回答」といいます。)。

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行規則案に関する意見募集の結果について

今回は、相続土地国庫帰属施行規則について、パブコメ回答を踏まえながら解説します!

相続土地国庫帰属法施行規則は何を定めたもの?

相続土地国庫帰属法施行規則は、相続土地国庫帰属法や同法の施行令で定められていなかった事項を定めたものです。

主な内容は次のとおりです。

  1. 申請書の作成・提出方法(法3条関係)
  2. 申請書に添付す必要書類(法3条関係)
  3. 審査の合否の通知方法(法4条2項・法9条・法10条2項)
  4. 負担金の納付方法(法10条3項)
  5. 負担金が増額される農業エリア(施行令4条1項2号)
  6. 引取不可の土壌汚染地の基準(法2条3項4号関係)

今回は、相続土地国庫帰属制度の利用を希望する方にとって重要な点を中心に解説したいと思います。

相続土地国庫帰属法施行規則の徹底解説

申請書の作成方法(規則2条・4条関係)

申請書は、土地の一筆ごとに作成します。

土地の数え方は、一筆、二筆と数えます。

要するに土地ごとに申請書を作成するということです。

ただ、例外があり、隣接する二筆以上の土地についての承認申請を同時にするときは、一括申請が可能です。

(さらに例外の例外として、隣接地の所有者が異なる場合は、一筆ごとに作成する必要があります。パブコメ回答No.47)。

この場合、次の事項を記載した一括審査の申出書を併せて提出する必要があります。

  1. 申出者の氏名又は名称及び住所
  2. 申出に係る隣接する二筆以上の承認申請に係る土地の所在及び地番
  3. (申請受理後に一括審査を求める場合)受付年月日・受付番号
  4. (隣接地の所有者が別の方の場合)隣接地の所有者が別である旨

申請書の記載事項(規則2条1項各号・2号関係)

申請書には、以下の事項を記載します。

  1. 申請者の氏名・名称及び住所
  2. 【法人の場合】代表取締役等の代表者の氏名
  3. 【法定代理人(親権者・後見人等)の場合】法定代理人の氏名・名称及び住所(法人の場合、代表者の氏名も)
  4. 申請者又は法定代理人の電話番号その他の連絡先
  5. 所有権の登記名義人(又は表題部所有者)の氏名又は名称及び住所
  6. 申請地の所在、地番、地目及び地積
  7. 審査手数料の額
  8. 承認申請の年月日
  9. 承認申請書を提出する管轄法務局長の表示

なお、②の法定代理人については、親権者、成年後見人、不在者財産管理人、相続財産管理人及び相続財産清算人、破産管財人が該当します(パブコメ回答No.9,10)。

また、申請書の作成を弁護士等に頼んでいる場合は、その弁護士の連絡先を書くことも可能です(パブコメ回答No.12)。

申請書への記名押印とその例外(規則2条1項柱書・3項関係)

申請書には、申請者が記名押印をします。

なお、共有地の場合、共有者全員で申請することになりますが、共有者が多いと記名押印が大変です。

この点について、法務省によると、申請書は一筆ごとに一通作成することになりますが、共有者の押印を同一の用紙にする必要まではないとのことですので(パブコメ回答No.5)、共有者ごとに作成した記名押印ページを最後に合体させる形でもよさそうです。

法人の場合は、代表者が、法定代理人がいる場合は、法定代理人が記名押印を行います。

これらの者を、規則では、「承認申請者等」と呼んでいます。

押印は、いわゆる実印で行います。

そのうえで、印鑑証明書を添付します。

印鑑証明書は、通常、市役所で発行してもらいます。

ただ、成年後見人や相続財産管理人等のように裁判所から選任された方については、裁判所が発行する印鑑証明書となります(パブコメ回答No.16)。

なお、印鑑がない外国人の方は、申請書に公証人等の認証を受けて申請します(いわゆるサイン証明。パブコメ回答No.15)。この場合、押印や印鑑証明書は不要です。

また、会社等の場合も印鑑証明書が不要です(ただし、申請書に会社等法人番号=会社の識別番号を記載する必要があります。)。

申請時の必要書類(規則3条関係)

申請書には、次の書類を添付する必要があります。

  1. 印鑑証明書(既述のとおり)
  2. 公図等の土地の位置及び範囲を明らかにする図面
  3. 現地写真(土地の形状がわかるようなもの)
  4. お隣との境界がわかる写真
  5. 名義変更に関する承諾書
  6. (相続登記未了の場合等)相続資格の証明書
  7. (親権者や後見人等の法定代理人の場合のみ)戸籍その他の資格証明書
  8. (法人の場合のみ)商業登記謄本

②公図等の土地の位置及び範囲を明らかにする図面については、いわゆる不動産登記法14条地図、地図に準じる図面(公図等)のほかに国土地理院が公開する地理院地図等が該当しますが、土地の位置及び範囲が明らかであれば、図面の種類は問いません(パブコメ回答No.29)。

そのため、例えば、(著作権関係法令に抵触しない限り)いわゆるインターネット上の地図を活用していただく形でも差
し支えありません(パブコメ回答No.30)。

以上からもわかるように、こちらの図面作成にあたっては、専門家による土地の測量までは必要ありません(パブコメ回答No.32)。

③現地写真(土地の形状がわかるようなもの)については、国土地理院で取得できる航空写真でもよいですが、その場合も、建物や工作物の有無などを確認できるもので、最新の現況が判る写真でなければなりません(パブコメ回答No.33)。

逆に言えば、著作権関係法令に抵触しない限り、インターネットで取得できる写真(Google マップの航空写真や Google ストリートビューの写真)でも構いません(ただ、地図を活用いただく形でも差し支えありませんが、建物や工作物の有無などを確認するために必要な書類であるため、最新の現況が判る写真である必要があります。以上パブコメ回答No.35)。

なお、写真の撮影時期については、申請前●か月以内のものという制約はないものの、建物や工作物の有無などを確認するために必要な書類であるため、最新の現況が判る写真を提出していただく必要があります(パブコメ回答No.34)。

また、広大な山林等の場合には、写真の添付が相応の手間になりますが、こういった場合の取扱いは現時点では不明です(パブコメ回答No.36)。

以上につき、写真に不備がある場合、一発で即却下になるのか、補正の余地があるのかは現時点で不透明です(パブコメ回答No.37、38)。

④お隣との境界がわかる写真については、筆界を示す境界標のみを指しているわけではなく、境界標があればそれで足りますが、境界標がなくても、所有権界を示す物の写真があれば足ります(パブコメ回答No.39)。

また、精度の悪い公図(地図に準ずる図面)しかない土地の場合、当該図面上、境界点の数が明確ではないことがありますが、この場合、承認申請者が認識する所有権界を前提に当該所有権界の境界点の数だけ写真を添付すれば足ります(パブコメ回答No.41)。

とはいえ、相続した土地の「境界」を見たことがないという方も少なくないと思いますし、山の場合、境界がどこかが容易にはわからない場合も少なくありません。

わからない場合には、即アウトなのか、何らか救済措置があるのかは不明です。

なお、お隣さんがそもそもだれか分からない(所有者不明)の場合にも、申請は可能です(パブコメ回答No.40)。

⑤名義変更に関する承諾書については、国庫帰属が認められた場合に、土地の名義を国に変える必要があるため、その際の名義変更の書類です。

こちらには、承認申請書と同じ印鑑での押印等をする必要があります。

⑥相続資格の証明書については、戸籍や法務局で発行してもらえる法定相続情報一覧図を添付します(後者につきパブコメ回答No.23)。

なお、遺贈を受けた相続人が申請する場合、仮に遺贈による相続登記が完了しているときでも、自己が相続人であることを示すために、戸籍を添付する必要があります(パブコメ回答No.27)。

⑧商業登記謄本については、会社等法人番号を申請書に記載すれば不要になるため、外国の会社等でなければ問題になることは少ないでしょう。

以上の他に、場合によっては、国から追加の資料提出を求められることもありますし、逆に、国の審査が迅速に進むように、申請者側から任意の証拠書類を提出することも可能です(パブコメ回答No.19)。

コラム――相続登記は必須ではない

相続土地国庫帰属制度を創設する際の議論では、申請にあたっては相続登記を終えていることが必要と考えられていました。もっとも、法務省は相続登記が未了でも申請が可能という見解を出しています(パブコメ回答No.20)。

相続登記未了の土地について国庫帰属の承認がおりた場合、国の方で代わりに相続登記を入れることになります(パブコメ回答No.21)。

ただし、その場合、申請の際に相続登記に必要な書類を添付する必要があります(パブコメ回答No.45)。

申請書類の訂正方法等(規則8条関係)

申請書類に訂正・加筆等を行う場合、細かなルールが定められています。

具体的には、訂正等を行う旨と、その字数を欄外に記載する必要があります。

(訂正等をした文字に括弧その他の記号を付して、その範囲を明らかにする方法でもOKです。)

訂正又は削除をした文字は、読むことができるようにしておかなければならないとされています。

訂正は、手書で対応することが多くなると思いますので丁寧に書きましょう。

なお、申請書が2枚以上であるときは、ページ番号等を入れてホッチキス止めする必要がありますが、契印までは不要です。

申請書等の提出方法(規則1条・9条関係)

承認申請書及び添付書類の提出は、承認地がある土地の法務局に行います。

申請者の住所地ではありませんので注意してください。

遠方に相続した土地がある場合は郵送になることが多いでしょう。

郵送方法は、書留郵便かレターパックプラス等で送る必要があります(パブコメ回答No.56)。

「ヤマトDM便」等での送付は認められません。

また、郵便局でも、「ゆうパック」「ゆうメール」「ゆうパケット」「クリックポスト」などは信書便にならないため、ダメです。

なお、封筒には、「承認申請書在中」と記載します。

手数料の納付方法等(規則5条関係)

相続土地国庫帰属制度では、申請の際に、審査手数料を納める必要があります。

この審査手数料は、振込ではなく、申請書に、収入印紙を貼り付けて納付します。

法務局で登記事項証明書を発行してもらう場合と同じですね。

法務局の窓口で申請する場合、窓口で収入印紙が販売されています。

なお、審査手数料の具体的な金額はまだ公表されていません。

また、一旦、納付した手数料は後日返還されませんので注意してください。

添付書類の原本還付(規則10条関係)

なお、申請書の添付書類は、印鑑証明書や名義変更の承諾書を除き、原本の還付を受けることができます。

審査に不合格になった場合でも、将来、再チャレンジする可能性も踏まえて、原本の還付を受けておくことをおススメします。

原本還付を希望する場合、コピーを作成し、そこに「原本と相違ない」旨を記載し、押印をする必要があります。

なお、共有地で申請者が複数いる場合は、申請者として連絡先が記載されている方に連絡がありますので、そこで還付先を指定することになります(パブコメ回答No.58)。

なお、偽造等の疑いがある書面については還付不可です。

コラム――包括遺贈を受けた第三者は申請可能?

相続土地国庫帰属制度を利用できるのは相続又は遺贈で土地を取得した相続人である必要があります。

この点について疑義があったのが、包括受遺者の取扱いです。

民法において、包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有するとされているため(民法990条)、相続人でなくても、包括受遺者であれば、国庫帰属制度の申請が可能ではないかという意見がありました。

もっとも、法務省は、包括受遺者には申請資格が認められないという見解を出しています(パブコメ回答No.26)。

申請の取下方法(規則7条関係)

申請の取下げは、取下書という書類(書式未公表)を法務局に提出することで行います。

ただ、審査に合格した後は、取下げができませんのでご注意ください。

同時並行で売却を進めている場合は、合格の決定が出るまでがリミットになります。

なお、取下げを行うと、添付書類が還付されます。

ただし、偽造書面等の疑いがある書面は、返還されません。

審査中に相続が発生した場合(規則12条関係)

審査中(ただし負担金の納付まで)に、申請者の方が亡くなり、相続が発生した場合、相続人の方が申請を引き継ぐことができます。

ただし、引き継ぎの手続は、相続から60日以内に行う必要があります。

その際、戸籍等の相続証明書が必要になりますので、かなり慌ただしい手続になるでしょう。

相続人が複数になると、相続人間での協議も必要になります。

高齢の方が申請する場合は、あらかじめ遺言書を作成して、信頼できる相続人に話を通しておくのも一案です。

隣接地所有者への通知(規則13条関係)

申請があると、法務局から、お隣さん=隣接地の登記名義人(又は表題部所有者)に、通知書が発送されます。

通知書には現地の写真等が添付されます。

通知書の宛先は、登記名義人の登記簿上の住所になります。

そのため、お隣さんが相続登記や住所変更登記が未了だと、届かない可能性があります。

通知書が届くと、隣接地の登記名義人から現地写真を見てクレームが来る可能性があります(境界が違う等)。

この場合、その隣接地所有者との間で当該クレームを解消する旨の合意書を締結する必要があります(パブコメ回答No.74)。

したがって、申請前にあらかじめお隣さんに連絡しておくのがベターです。

審査の合否の通知方法(規則17条・6条関係)

国の審査に合格すると、合格通知書(承認通知書)が申請者に郵送されます。

合格通知書(承認通知書)には、負担金の額を記載した書面が添付されます。

負担金の支払に関しては、同封されている納入告知書又は納付書で支払を行います。

他方で、国の審査が不合格だった場合、承認申請者ごとに、決定書という書類が郵送されます。

その際、申請書の添付書類も還付されます。

ただし、偽造書面等の疑いがある書面は、還付不可です。

負担金が増額される農地エリア(規則15条関係)

次の事業を行っている農業エリアでは、負担金が面積に応じて決まることになります。

いずれも地元の農業委員会に確認を行う必要があるでしょう。

  1. 農業用用排水施設の新設又は変更
  2. 区画整理
  3. 農地の造成(昭和35年度以前の年度にその工事に着手した開墾建設工事を除く。)
  4. 埋立て又は干拓
  5. 客土、暗きよ排水その他の農地の改良又は保全のため必要な事業
  6. 国又は地方公共団体が行う事業
  7. 国又は地方公共団体が直接又は間接に経費の全部又は一部につき補助その他の助成を行う事業
  8. 農業改良資金融通法に基づき公庫から資金の貸付けを受けて行う事業
  9. 公庫から資金の貸付けを受けて行う事業(⑧の事業を除く。)

なお、①から⑤までは、主として農地の災害防止を目的とする場合は、原則通り20万円となります。

引取不可の土壌汚染地の基準(規則14条関係)

土壌汚染地の基準は、土壌汚染対策法施行規則第三十一条第一項及び第二項の基準となりました。

こちらは追って詳細を解説する記事を追加したいと思います。

最後に

相続土地国庫帰属制度施行規則により、手続の詳細はわかってきたものの、具体的な申請書の書式などの重要情報は未公表です。

これらの情報は、2023年4月の制度開始までに、法務省から公表されます。

公表され次第、当サイトでも解説しますが、最新情報を見落としたくない方は当サイトのLINE公式アカウントをお友達登録してください!

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参考――相続土地国庫帰属施行規則の全文

○法務省令第一号
相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(令和三年法律第二十五号)第二条第三項第四号、第三条、第四条第二項、第九条、第十条第二項及び第三項、第十三条第四項並びに第十五条第一項並びに相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令(令和四年政令第三百十六号)第四条第一項第二号及び第七条の規定に基づき、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行規則を次のように定める。

令和五年一月十三日
法務大臣齋藤健

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行規則

(承認申請書等の提出方法)
第一条 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(以下「法」という。)第三条第一項の規定による承認申請書及び添付書類の提出は、承認申請に係る土地の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長(以下「管轄法務局長」という。)に対して行わなければならない。ただし、承認申請に係る隣接する二筆以上の土地の管轄法務局長が二以上あるときは、そのいずれかに対して提出すれば足りる。

(承認申請書の記載事項)
第二条 承認申請書には、法第三条第一項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、承認申請者又はその代表者若しくは法定代理人(以下「承認申請者等」という。)が記名押印しなければならない。ただし、承認申請者等が署名した承認申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けたときは、承認申請書に記名押印することを要しない。
一 承認申請者が法人であるときは、その代表者の氏名
二 法定代理人によって承認申請をするときは、当該法定代理人の氏名又は名称及び住所並びに法定代理人が法人であるときはその代表者の氏名
三 承認申請に係る土地の表題部所有者(不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第二条第十号に規定する表題部所有者をいう。第十三条第一項において同じ。)又は所有権の登記名義人(同法第二条第十一号に規定する登記名義人をいう。第十三条第一項において同じ。)の氏名又は名称及び住所
2 承認申請書には、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載するものとする。
一 承認申請者又は法定代理人の電話番号その他の連絡先
二 手数料の額
三 承認申請の年月日
四 承認申請書を提出する管轄法務局長の表示
3 承認申請書には、第一項の規定により記名押印した者の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。)又は登記官が作成するものに限る。)を添付しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。以下この号及び次条第三号において同じ。)を有する法人の代表者又は代理人が記名押印した者である場合において、その会社法人等番号を承認申請書に記載したとき。
二 承認申請者等が記名押印した承認申請書について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けたとき。 
三 裁判所によって選任された者がその職務上行う承認申請の承認申請書に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官が最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されているとき。

(添付書類)
第三条 承認申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 承認申請者が相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により承認申請に係る土地の所有権又は共有持分を取得した者であるときは、当該者であることを証する書面(当該者であることが登記記録(不動産登記法第二条第五号に規定する登記記録をいう。)から明らかであるときを除く。)
二 法定代理人によって承認申請をするときは、戸籍事項証明書その他その資格を証する書面
三 承認申請者が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面(当該法人が会社法人等番号を有する法人である場合において、その会社法人等番号を承認申請書に記載したときを除く。)
四 承認申請に係る土地の位置及び範囲を明らかにする図面
五 承認申請に係る土地の形状を明らかにする写真
六 承認申請に係る土地と当該土地に隣接する土地との境界点を明らかにする写真
七 法第十一条第一項の規定により承認申請に係る土地の所有権が国庫に帰属した場合には当該土地の所有権が国庫に帰属したことを原因とする国が登記権利者となる所有権の移転の登記を官庁が嘱託することを承諾したことを証する書面(承認申請者等が記名し、承認申請書に押印したものと同一の印を用いて押印したもの又は前条第一項ただし書の認証を受けたものに限る。)

(承認申請書の作成)
第四条 承認申請書は、土地の一筆ごとに作成しなければならない。ただし、同一の承認申請者等が二筆以上の土地についての承認申請を同時にするときは、この限りでない。

(手数料の納付方法等)
第五条 法第三条第二項の規定による手数料の納付は、承認申請書に手数料の額に相当する額の収入印紙を貼り付けてするものとする。
2 前項の手数料は、これを納付した後においては、返還しない。

(承認申請の却下の通知方法等)
第六条 法第四条第二項の規定による承認申請を却下したことの通知は、承認申請者ごとに、決定書を交付して行うものとする。
2 前項の規定による交付は、決定書を送付する方法によりすることができる。
3 管轄法務局長は、承認申請の却下があったときは、添付書類を還付するものとする。ただし、偽造された書面その他の不正な承認申請のために用いられた疑いがある書面については、この限りでない。

(承認申請の取下げ)
第七条 承認申請の取下げは、承認申請を取り下げる旨を記載した書面(第二十三条第四項第一号において「取下書」という。)を管轄法務局長に提出する方法によってしなければならない。
2 承認申請の取下げは、法第五条第一項の承認がされた後は、することができない。
3 管轄法務局長は、承認申請の取下げがされたときは、添付書類を還付するものとする。この場合においては、前条第三項ただし書の規定を準用する。

(承認申請書等の訂正等)
第八条 承認申請者等は、承認申請書その他の相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属の承認に関する書面につき文字の訂正、加入又は削除をしたときは、その旨及びその字数を欄外に記載し、又は訂正、加入若しくは削除をした文字に括弧その他の記号を付して、その範囲を明らかにしなければならない。この場合において、訂正又は削除をした文字は、なお読むことができるようにしておかなければならない。
2 承認申請者等は、承認申請書が二枚以上であるときは、各用紙に当該用紙が何枚目であるかを記載することその他の必要な措置を講じなければならない。

(承認申請書等の送付方法)
第九条 承認申請者等が承認申請書及び添付書類を送付するときは、書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者(以下この項及び次条第六項において「信書便事業者」と総称する。)による同法第二条第二項に規定する信書便(次条第六項及び第七項において「信書便」という。)の役務であって当該信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによるものとする。
2 前項の場合には、承認申請書及び添付書類を入れた封筒の表面に承認申請書が在中する旨を明記するものとする。

(添付書類の原本の還付請求)
第十条 承認申請者等は、承認申請書の添付書類の原本の還付を請求することができる。ただし、第二条第三項本文及び同項第三号の印鑑に関する証明書並びに第三条第七号の書面については、この限りでない。
2 前項本文の規定により原本の還付を請求する承認申請者等は、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出しなければならない。
3 管轄法務局長は、第一項本文の規定による請求があったときは、承認申請に係る審査の完了後、当該請求に係る書類の原本を還付しなければならない。この場合には、前項の謄本と当該請求に係る書類の原本を照合し、これらの内容が同一であることを確認した上、同項の謄本に原本還付の旨を記載しなければならない。
4 前項前段の規定にかかわらず、管轄法務局長は、偽造された書面その他の不正な承認申請のために用いられた疑いがある書面については、これを還付することができない。
5 第三項の規定による原本の還付は、承認申請者等の申出により、原本を送付する方法によることができる。この場合においては、承認申請者等は、送付先の住所をも申し出なければならない。
6 前項の場合における書類の送付は、同項の住所に宛てて、書留郵便又は信書便の役務であって信書便事業者において引受け及び配達の記録を行うものによってするものとする。
7 前項の送付に要する費用は、郵便切手又は信書便の役務に関する料金の支払のために使用することができる証票であって法務大臣が指定するものを提出する方法により納付しなければならない。
8 前項の指定は、告示してしなければならない。

(承認申請の受付)
第十一条 管轄法務局長は、承認申請書が提出されたときは、受付帳に承認申請の受付の年月日及び受付番号並びに承認申請に係る土地の所在及び地番を記録しなければならない。
2 管轄法務局長は、前項の規定により受付をする際、承認申請書に承認申請の受付の年月日及び受付番号を記載しなければならない。
3 受付番号は、一年ごとに更新するものとする。

(承認申請者から所有権を取得した者の取扱い)
第十二条 法第十一条第一項の規定による負担金の納付がされるまでの間に、承認申請者から承認申請に係る土地の所有権の全部又は一部を取得した者(法第二条第一項又は第二項の承認申請をすることができる者に限る。以下この条において「新承認申請権者」という。)があるときは、新承認申請権者は、その取得の日から六十日以内に限り、管轄法務局長に申し出て、承認申請手続における承認申請者の地位を承継することができる。
2 前項の申出は、新承認申請権者が申出書及び添付書類を提出して行わなければならない。
3 前項の申出書及び添付書類については、第二条(第二項第二号を除く。)及び第三条(第一号から第三号まで及び第七号に係る部分に限る。)の規定を準用する。この場合において、「承認申請書」とあるのは「申出書」と、「承認申請者」とあるのは「申出人」と、「承認申請者等」とあるのは「申出人等」と、「承認申請を」とあるのは「申出を」と、「承認申請に係る土地の表題部所有者」とあるのは「申出に係る土地の表題部所有者」と、「承認申請の」とあるのは「申出の」と、「承認申請者が相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により承認申請に係る土地の所有権又は共有持分を取得した者であるときは、当該者」とあるのは「申出人が新承認申請権者」と読み替えるものとする。

(隣接地所有者への通知)
第十三条 管轄法務局長は、承認申請があったときは、その旨を記載した通知書に、第三条第四号から第六号までの書類の写しを添付して、承認申請に係る土地に隣接する土地の表題部所有者又は所有権の登記名義人に送付するものとする。
2 前項の規定による通知は、前項の表題部所有者又は所有権の登記名義人の登記簿上の住所に宛てて発すれば足りる。

(法第二条第三項第四号の特定有害物質の基準)
第十四条 法第二条第三項第四号に規定する法務省令で定める基準は、土壌汚染対策法施行規則(平成十四年環境省令第二十九号)第三十一条第一項及び第二項の基準とする。

(農地の地積に応じた負担金が算定される区域)
第十五条 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令(以下「令」という。)第四条第一項第二号に規定する法務省令で定める事業は、次に掲げる要件を満たしている事業とする。
一 次のいずれかに該当する事業(主として農地の災害を防止することを目的とするものを除く。)であること。
イ 農業用用排水施設の新設又は変更
ロ 区画整理
ハ 農地の造成(昭和三十五年度以前の年度にその工事に着手した開墾建設工事を除く。)
ニ 埋立て又は干拓
ホ 客土、暗きよ排水その他の農地の改良又は保全のため必要な事業
二 次のいずれかに該当する事業であること。
イ 国又は地方公共団体が行う事業
ロ 国又は地方公共団体が直接又は間接に経費の全部又は一部につき補助その他の助成を行う事業
ハ 農業改良資金融通法(昭和三十一年法律第百二号)に基づき公庫から資金の貸付けを受けて行う事業
ニ 公庫から資金の貸付けを受けて行う事業(ハに掲げる事業を除く。)

(隣接する二筆以上の土地の負担金算定の特例の申出方法)
第十六条 令第五条第一項の規定による申出は、次に掲げる事項を記載した申出書を管轄法務局長に提出して行わなければならない。ただし、隣接する二筆以上の承認申請に係る土地の管轄法務局長が二以上あるときは、そのいずれかに対して提出するものとする。
一 申出をする者の氏名又は名称及び住所
二 申出に係る隣接する二筆以上の承認申請に係る土地の所在及び地番
三 承認申請の受付の年月日及び受付番号(承認申請と併せて申出をする場合を除く。)
四 令第五条第二項の規定により共同して申出をするときは、その旨

(承認等の通知方法)
第十七条 法第九条の規定による承認をしたことの通知は、その旨を記載した書面を承認申請者ごとに交付して行うものとする。
2 法第十条第二項の規定による負担金の額の通知は、前項の通知と併せて、負担金の額を記載した書面を承認申請者ごとに交付して行うものとする。
3 前二項の規定による交付は、前二項に規定する書面を送付する方法によりすることができる。
4 法第九条の規定による承認をしないことの通知については、第六条の規定を準用する。

(承認に関する意見聴取方法)
第十八条 法第八条の規定による財務大臣及び農林水産大臣からの意見の聴取は、各大臣の意見及びその理由を記載した書面の提出を受けることにより行うものとする。

(負担金の納付方法)
第十九条 法第十条第一項の規定による負担金の納付の手続は、会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第四条の二第三項に規定する歳入徴収官が発した納入告知書又は納付書によってしなければならない。

(国庫帰属に伴う関係資料の送付)
第二十条 管轄法務局長は、承認申請に係る土地の所有権が国庫に帰属したときは、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属の承認に係る手続に関する書類(第二十三条第四項第一号において「手続書類」という。)の写しを、財務大臣(当該土地を農林水産大臣が管理するときは、農林水産大臣)に送付するものとする。

(承認の取消しの通知の方法)
第二十一条 法第十三条第四項の規定による承認の取消しの通知は、決定書を法第五条第一項の承認を受けた者ごとに交付して行うものとする。
2 前項の規定による交付は、同項に規定する書面を送付する方法によりすることができる。

(権限の委任)
第二十二条 法第十五条第一項の規定により、次に掲げる法務大臣の権限は、法務局又は地方法務局の長に委任する。ただし、第二号、第四号、第五号、第九号、第十四号及び第十五号に掲げる権限については、法務大臣が自ら行うことを妨げない。
一 法第二条第一項の規定による承認申請を受け付ける権限
二 法第四条第一項の規定による承認申請の却下
三 法第四条第二項の規定による通知
四 法第五条第一項の承認をする権限
五 法第五条第一項の承認をしない権限
六 法第六条第一項の規定により職員に事実の調査をさせる権限
七 法第六条第三項の規定により職員に他人の土地に立ち入らせる権限
八 法第六条第四項の規定による通知
九 法第七条の規定による協力の求め
十 法第八条の規定による意見聴取
十一 法第九条の規定による通知
十二 法第十条第二項の規定による通知
十三 法第十一条第二項の規定による通知
十四 法第十三条第二項の規定による意見聴取
十五 法第十三条第三項の規定による同意の取得
十六 法第十三条第四項の規定による通知
十七 令第五条第一項の規定による特例の申出を受け付ける権限
十八 令第五条第三項の規定による負担金の算定

(帳簿)
第二十三条法務省には、次に掲げる帳簿を備えるものとする。
一 法務省決定原本つづり込み帳
二 審査請求書類等つづり込み帳
2 法務局又は地方法務局には、次に掲げる帳簿を備えるものとする。
一 受付帳
二 承認申請書類つづり込み帳
三 決定原本つづり込み帳
四 各種通知簿
3 法務省が備える次の各号に掲げる帳簿には、当該各号に定める書類をつづり込むものとする。
一 法務省決定原本つづり込み帳法務大臣が作成した法第四条第一項の規定による承認申請の却下、法第五条 第一項の承認をしないこと又は法第十三条第一項の規定による承認の取消しに係る決定書の原本及び法第五条第一項の承認をしたこと又は法第十条第二項の規定による負担金の額の通知に係る書面の原本
二 審査請求書類等つづり込み帳審査請求書その他の審査請求事件に関する書類
4 法務局又は地方法務局が備える次の各号に掲げる帳簿には、当該各号に定める書類をつづり込むものとする。
一 承認申請書類つづり込み帳承認申請書及び添付書類、取下書その他の手続書類(前項第一号又は次号の規定によりつづり込むものを除く。)
二 決定原本つづり込み帳管轄法務局長が作成した法第四条第一項の規定による承認申請の却下又は法第五条第一項の承認をしないことに係る決定書の原本及び同項の承認をしたこと又は法第十条第二項の規定による負担金の額の通知に係る書面の原本

(保存期間)
第 二十四条法務省が備える次の各号に掲げる帳簿の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。
一 法務省決定原本つづり込み帳これにつづり込まれた決定書又は書面に係る処分の年の翌年から十年間
二 審査請求書類等つづり込み帳これにつづり込まれた審査請求に係る裁決又は決定の年の翌年から五年間
2 法務局又は地方法務局が備える次の各号に掲げる帳簿の保存期間は、当該各号に定めるとおりとする。
一 受付帳受付の年の翌年から十年間
二 承認申請書類つづり込み帳法第四条第一項の規定による承認申請の却下、法第五条第一項の承認をしたこと、同項の承認をしないこと又は第七条第一項の規定による承認申請の取下げの年の翌年から十年間
三 決定原本つづり込み帳これにつづり込まれた決定書又は書面に係る処分の年の翌年から十年間
四 各種通知簿通知の年の翌年から一年間

(帳簿の廃棄)
第二十五条 第二十三条第一項に規定する帳簿を廃棄するときは、法務大臣の認可を、同条第二項に規定する帳簿を廃棄するときは、管轄法務局長の認可を受けなければならない。

附則
この省令は、法の施行の日(令和五年四月二十七日)から施行する。




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