【2022年最新版】誰も教えてくれない相続した農地を賢く手放す方法5選【弁護士が解説】

相続した農地を放棄したい、手放したいニーズが増加中

「農地を相続したけど、農業は継げない。使い道がなく、手放したいがどうしよう。」
「相続した農地、草刈りだけやっているけど、いつまで続けられるか…放置すると近隣に迷惑を掛けそう…」
「相続した農地、固定資産税や共益費だけ毎年払っていて負担に感じる。」
「このまま放置すると相続税の対象になって、子どもにも迷惑をかける」
「相続した空き家を売りたいが、農地があるせいで中々売れない。。。」

最近、相続した農地について、このようなお悩みを抱える方が増えています。

「せっかく親や先祖から相続した土地だから・・」

こういった理由で、やむなく管理をされている方も少なくないと思います。

もっとも、近時、熱海の土砂災害の件などのように、土地所有者の責任が社会的にも厳しく問われるようになってきました(熱海の件でも家宅捜索や多額の損害賠償が請求されています。)。

将来、子どもたちや相続人になる形に迷惑をかけないためには、不要な土地や使わない農地はきちんと手放して適切な担い手に引き継ぐことが重要です。

「そういはいっても、不要な農地って、どうやって手放すの?売れないから持ち続けるしかないんじゃないの?」

こう思われる方もいらっしゃると思います。

実は、最近、相続した不要な農地を処分するための新しい制度ができたり、民間事業者が画期的な取り組みをしている例が増えており、これらを賢く使えば、土地を手放せることができるようになってきました。

今回は相続した使わない農地・不要な農地を手放す方法を解説したいと思います。

相続した不要な農地・使わない農地を手放す方法

相続した不要な土地や使わない土地を手放す方法としては、次のようなものがあります。

 ・売却する
 ・贈与や寄附をする
 ・相続放棄をする
 ・新制度を利用して国に引き取ってもらう(2023年4月以降)

以下それぞれ解説していきたいと思います。

売却する

 まず、最初に検討すべき方法が売却するという方法です。

 売却ができれば代金も得られますし、管理や固定資産税等の負担からも開放されることになります。

ポイントは買い手の見つけ方

 問題は買い手の見つけ方です。

 農地の売買については、農地法という法律により強い規制が掛かっています。具体的には、農地を売却するためには、基本的に市役所等の中にある農業委員会という機関から許可を得る必要があります。しかも、買主が農家さんでないと基本的に許可が下りません。

農地を買ってくれる人

 では、農地を買ってくれそうな人をどのように見つければよいでようか?

 定石としては、売りたい農地の近くで農業をしている農家さんに買っていただく方法があります。

 近隣の農地であれば、耕作面積が広がり、かつ、耕作の手間を相対的に抑えることができます。

 実は、私(執筆者)の両親も専業農家で、私もよく手伝いをしていましたが、農地が点在していると移動するのが大変ですし、トラクターなどの農業器具を移動させるのも一苦労です。

 逆に言えば、近くに農地が集中していれば、農家さんの負担も小さくなりありがたいということがあります。

 まずは、近隣で農業を営んでいる農家さんに話をすることが最も効率的といえます。

 そのうえで、もし買い手が見つからない場合は、地元の農業協同組合(いわゆる農協)に相談してみるのも一案です。

マッチングサイトを利用してみる

 最近、農地を出品できるマッチングサイトが出てきました。

 次のサイトは閲覧者も多く、自分で買主を探してくる手間が大きく省ける点でおススメできます。

 ○家いちば  https://www.ieichiba.com/

 このサイトは、この手のマッチングサイトのフロントランナーで、実績もかなりあるため、おススメです。特に、納得感を重視する方――相続した土地を手放すのは気が引けるところがあり、多少手間暇が掛かっても信頼できる人に譲りたいという方――にはおススメです。運営事務局のサポートも手厚い点もおススメできる点です。

贈与・寄附をする

 売却することが難しい場合で、無料でも引き取ってほしいというときは、贈与が選択肢になります。

やはりポイントは引き受け手の見つけ方

 ポイントは売却同様、引き受け手の見つけ方です。

 売却と同じように農地法の許可が必要であるため、タダであれば引き取って良いという方でも、農地法の許可が得られるか慎重に検討しましょう。この点の見当がつかない場合は、市役所等に電話して農業委員会に繋いでもらうとよいでしょう。

0円でマッチングサイトに出品する

 他方で、両親から相続した農地だが、東京などの都会に出てしまっため、地縁がなく、こういったツテがないという方には次のようなサービスもおすすめです。

 みんなの0円物件 https://zero.estate/

 0円で引き渡すため、手放す方は一切責任を負わないという形の契約条件で引き渡すことができます。引き受け手としても、0円で引き受けた物件について元所有者に責任追及することは法的にも心理的にも、かなりのハードルです。

 不動産取引に不慣れな方向けの有料サポートもありますので、「とにかく土地を手放したいけど、不慣れな不動産の手続に手間暇は掛けたくない」という方にはおススメです。

 なお、仮に贈与で受け取ってもよいという方が見つかった場合でも、贈与を行う場合、贈与税等の税金が掛かる可能性があることには注意が必要です(この点は税理士にご相談ください)。

 さらに、贈与であっても、売買の場合と同様に土地の名義変更手続が必要になるため、これらの諸費用(司法書士費用・登録免許税等)にも注意が必要です。

農地バンクに登録する

 次に、農地の権利を維持したたま、管理の手間だけを手放す方法を紹介します。

 それは、農地バンクを利用するという方法です。

 農地バンクとは、農地の所有者が「信頼できる農地の中間的受け皿」である農地中間管理機構(いわゆる農地バンク)に農地を貸し、この農地バンクが地元の農家さんに更に貸す(転貸する)ことにより、農地を有効活用するという制度です。

 あくまでも貸すだけなので、農地の権利は手元に残り、賃料を得ることができる一方で、農地の管理は最終的な借り手側で行うため、管理の手間が省けます。

 留意点として、借りたいという方が居ないと結局貸せないため、営農条件が悪い場合には、うまくいかない場合がある点が挙げられます。

 なお、各都道府県で農地バンクが設置されていますので、ご興味がある方はこちらからご覧ください。

 リンク 各都道府県の農地中間管理機構一覧

相続放棄

 相続した遺産を見ても、資産らしいものがなく、負担にしかならない『負動産』しかない場合は、そもそも相続自体を放棄するということが選択肢になります。いわゆる相続放棄と呼ばれるものです。

 相続放棄をすると、プラスの資産を含めてすべての遺産を受け取ることができなくなるため、現預金や収益不動産は相続したいけど、それ以外はいらないという場合には利用できません。

 また、相続放棄は自己のために相続の開始があったことを知った日から3か月以内に行う必要があるため、期限がかなりタイトといえます。

 相続放棄の手続も家庭裁判所に申述という手続を行う必要があるため、一般の方が裁判所の窓口に行ってすぐにできるという手続ではありません。

 相続放棄を行うか否かは、迅速にかつ慎重に検討・判断する必要があります。

お金を払って引き取ってもらう新制度を活用

 現預金や収益不動産は相続したいけど、それ以外のいらない農地や不動産は手放したいというニーズに答える制度が2021年に出来ました。

 制度のスタートは2023年(令和5年)4月からとなります。

 この制度は、管理や処分が難しい土地は引き取ってもらうことができなかったり、負担金として一定の金銭を国に納める必要があったりする等のハードルはあるものの、要件を満たせば国が土地を引き取ってくれるため、手放したい土地があるときはこの制度の利用を検討すべきです。 

 また、引き取り手が国ですので、「詐欺的業者だったらどうしよう・・・」「引き取り後に問題が生じて何かクレームを受けたらどうしよう・・・」等の心配はいらず、安心感があります。

 この制度については、次の記事をはじめ本サイトで詳細に解説しておりますので、各種解説記事をご参照ください。

 >相続土地国庫帰属法を使うなら農地がオススメ?弁護士が解説

最後に

 いかがでしたか?今回は相続した使わない農地・不要な農地を手放す方法を解説させていただきました。

 もしこの記事がわかりやす、勉強になったという方は、SNS等でご紹介いただけますと幸いです。

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