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放棄分譲地(住宅地・別荘地)を相続したら?あげたいけど処分できる?「限界ニュータウン」の著者が徹底解説!

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この記事を書いた人

吉川 祐介

1981年、静岡市生まれ。ブロガー。千葉県横芝光町在住。2017年にブログ「URBANSPRAWL──限界ニュータウン探訪記」を開設。千葉県北東部の限界分譲地をたずね歩き、調査を重ねてブログに記事を執筆してきた。2022年よりYouTubeチャンネル「資産価値ZERO──限界ニュータウン探訪記」を開始し、ブログと並行して動画配信もおこなっている。

目次

放棄分譲地とは?

「放棄分譲地」というものは、明確な定義を持って使われている言葉ではありませんが、一度は「住宅地」「別荘地」として販売されたものの、その後、家屋が建てられることもなければ、駐車場や菜園として使われることもなく、ただ長年放置されて、荒れ地や雑木林と化してしまった土地のことを、当記事では「放棄分譲地」と呼んでお話をしています。

放棄分譲地が生まれた経緯・背景

「放棄分譲地」という言葉に、奇妙な印象を持つ方が多いかもしれません。現代の感覚では、分譲地というものは、あくまで住宅の建築を予定している方が購入する「住宅用地」を意味するものであり、その購入は、家屋を新築するための手段のひとつに過ぎません。それがなぜ使われずに放置されているのか、理解し難い方もいると思います。

しかし、今から半世紀ほど前の1970年代から、いわゆる「バブル景気」に至る1990年ころまでの日本においては、分譲地を購入するということは、単なる住宅用地の取得にとどまるものではなく、銀行預金や株式購入よりも確実で堅実な「投資」の意味合いを持つ側面がありました。

戦後の高度経済成長による開発ラッシュにより、日本の不動産取引は著しく活発化しました。年を追うごとに上昇する地価を見込んで、多くの国民が不動産の取得による貯蓄や財産の形成を目指した時代でした。

この時代に販売された住宅分譲地や別荘地は、もちろん、自宅や別荘を新築するために購入した方も多かったのですが、一方で、自分自身はそこへ暮らすつもりもなければ、別荘地として利用する予定もなく、あくまで「投機」「投資」の対象として購入した方も少なくありません。

(画像1:投機目的で販売された分譲地。実際に宅地として利用されることはなく、多くの区画が放置され荒れ果てている。千葉県八街市)
(画像1-2一般の別荘地であっても、実態は投機商品として買われたまま、一切使われていないものも多い。群馬県長野原町)

色々な種類の放棄分譲地

名目上は住宅地や別荘地であっても、購入後は、今に至るまでその土地を所有しているだけの状態で、具体的な利用計画を立てていなかった方も多いのです。中にはそれこそ、最初から「投機目的」での購入以外に利用方法が考えられないような、生活インフラが何一つ揃えられていない分譲地もありました。かつて深刻な社会問題となった「原野商法」の土地もまた、そんな投機型分譲地の一種です。

放棄分譲地が売れない理由・放棄される理由

このような投機目的の土地購入が広く流行したのは1970年代初頭の話です。ところが現在では、これら高度成長期に販売された、投機目的の分譲地の価格はほぼ例外なく暴落しています。昨今は不動産取引が活況であると言われていますが、それでも放棄分譲地の地価が回復する兆しはまったくありません。

投機型分譲地が大きく値崩れしてしまった一番の理由は、実際に人が住むことを充分に想定していなかったために、開発用地として入手しやすかった僻地の山林や遊休地に造成されているものが大半で、利便性が極端に低く、今日の住宅地としてのニーズをまったく満たしていないことです。

また、古い分譲地は造成工事の水準も低く、今日の感覚では、1区画あたりの面積が狭すぎたり、道幅も狭かったりと、近年になって新たに開発された分譲地と比べて大きく見劣りしているのも、今となっては敬遠される理由のひとつです。

(画像2:分譲地の規格が現代の需要とは異なるので、住宅用地としてのニーズが失われていることが少なくない。千葉県山武市)

最も深刻なケースとしては、開発当時と現在では、建築に関する法規制や要件などが変わってしまっているために、分譲当初はたしかに住宅用地として利用可能だったものが、今となっては建物が建てられない土地になってしまっていることもあります。古い分譲地の値崩れ、放棄分譲地の増加は、単に「バブルが崩壊したから」だけでは語ることの出来ない、さまざまな遠因を抱えているのです。

放棄分譲地の問題が表面化しなかった理由

そのため、そのような分譲地を投機目的で購入してしまった方の中には、その後の地価の暴落に大きく失望し、忌まわしい記憶として長年記憶の底に封印してきました。中には家族にすら、その所有地の存在を明かさなかった方もいます。

現在、これら分譲地の購入者は高齢となり、鬼籍に入られる方も多くなりましたが、ご遺族の方が相続の手続きに入られる段階になって初めて、個人が長年、遠い田舎の放棄分譲地を所有し続けていた事実が判明するケースも多いのです。

相続人の方も、突然降って湧いたような謎の土地の存在に戸惑うのですが、他にも相続財産がある場合、その放棄分譲地だけを切り捨てて相続放棄することは認められません。不本意ながら、他の財産を相続するために、そうした無用の放棄分譲地を仕方なく相続する方が増加しています。

放棄分譲地を相続したらすべきこと

(前置き)全部放棄分譲地と部分放棄分譲地

「放棄分譲地」と言っても、その現況は土地によってさまざまです。もはや人の立ち入りも困難なほど、分譲地ごと荒れ果てていることもあれば、周囲はまだ家屋があり住民はいるけれども、故人の区画だけが長年管理もされておらず雑木林と化している場合もあります。

当記事では便宜上、すでにまったく利用されておらず、雑木林と化してしまっている放棄分譲地を「全部放棄」、今もまだ住民がいるものの、部分的に管理が放棄されている分譲地を「部分放棄」と記載しています。

(画像3「全部放棄」の分譲地。家屋はまったくなく、新築も認められない。千葉県東金市)
(画像4:わずかに利用者はいるものの、大半の区画が放置された「部分放棄」の分譲地。通行人のいない道路は整備もされていない。千葉県山武市)

まずは現地の特定が必須

全部放棄であれ部分放棄であれ、処分を行うためにはまずは現地の特定が必須です。なにか案内図などの資料が残っていればよいのですが、何も手がかりがない場合、仮に土地の地番が判明していても、インターネットのグーグルマップなどでは正確な位置がわからない事がほとんどですので、その場合は分譲地が所在する自治体の協力を得て場所を特定することになります。

自治体への相談も

こうした放棄分譲地は評価額が低く、固定資産税がかからない土地も多いのですが、請求が来ていなくても、自治体は土地の所在地は把握しています。自治体によっては、地番ごとに土地の所在地を航空写真上で特定しているところもあるので、固定資産税を扱う部署(税務課、課税課、資産税課など)に事情を説明し、協力を仰いでください。

放棄分譲地を抱える自治体は、近年どこも同じような相続人からの問い合わせを受けていることが多いはずで、対応も手慣れていると思います。

(画像5:放棄分譲地は特定のエリアに集中して開発されているものが多く、地元自治体には相続人からの問い合わせも多い。栃木県那須町内の別荘地)

現地の確認

土地の所在地が特定できれば、続いて現地の様子の確認を行いますが、全部放棄の分譲地などは、現地へ足を運んだところで、そもそも分譲地が荒れ果てていて立ち入ることすら出来ず、無駄足に終わってしまう場合もあるかもしれません。

しかし、本気でその土地を手放すつもりであれば、たとえ立ち入りが困難であれ、その土地が果たして、お金を払ってまで買う人が現れるような土地なのか、その現実を目にすることが、後々売却を巡って無用な時間や手間を浪費したり、トラブルを避けるための予防策になります。

単に雑草などが生えているだけならまだしも、場合によっては不法投棄のゴミが散乱していたり、近所の人が勝手に入り込んで、菜園用地や駐車場として使っていたりすることもあります。適切な処分のためにも、一度は現地に足を運ぶことを強くおすすめいたします。

(画像6:不法投棄のターゲットとなった放棄分譲地の私道。千葉県富里市)

放棄分譲地を管理する際の注意点

「全部放棄」の放棄分譲地の場合-負担がないからと放置すると、不法投棄場所として狙われることも

「全部放棄」の放棄分譲地であった場合、そもそもその分譲地を、住宅用地としてはもちろん、その他の用途でも使っている人がいない状態であり、故人の所有地に限らず、大半の区画が何も管理されていないまま、分譲地全体が雑木林の様相になっています。

こうした分譲地は、現在では家屋を新築しようにも、建築確認申請が通らないケースも多く、住宅地として販売できる見込みはまったくありません。広告を出しても買う人がいないので、地元業者も扱いたがらない物件です。

しかし、誤解を恐れず言えば、住宅用地として一切使われず、区画所有者の大半が管理も何もせず放置してきたということは、放置しても目に見える形での問題は起きていなかった、ということでもあります。

固定資産税の請求も来ていない場合は、何らの対策を取ることもなく放置し続けていても、何事もなければ実害も、金銭的な負担も生じません。不要ではあるけれど、自ら積極的に処分に向けて動くこともなく放置している、という所有者の方が多いのも無理もない話です。

ところが現実には、このような全部放棄の分譲地こそ、地域住民の監視の目が届きにくく発覚も遅れるため、個人のゴミはもちろん、時には業者による大掛かりな不法投棄のターゲットにされることが多いのです。そんな土地をそのまま所有し続ければ、何のメリットもないのに、ただトラブルに巻き込まれるリスクだけを常に抱えることになります。

民間の事業者が、事業用地を探していたとしても、持ち主が大勢存在する(買収交渉が困難になる)ような放棄分譲地を候補に入れることはまずありません。そんな無用な土地を、さらに子供の世代に遺さないためには、仮に今は問題がなくても、可能な限り、実害が発生する前に処分する方が良いと思います。

土地の整備をする際は慎重に!

ただし全部放棄の分譲地の場合は、無償でも、譲る相手がいれば幸運、というところが大半です。どんな土地であれ、一度は重機などを入れてきれいに整地したほうが、手放しやすくなるのは事実ですが、放棄分譲地の売却価格では、そのような整備費用が回収できる望みはありません。

そもそも重機も入れられないような土地も多いとは思いますが、仮に整備するにせよ、費用は全て自分の持ち出しであるという前提で、その値段の付かない無用な土地に、どこまで費用をかけて管理するべきか、よく考えてから着手したほうが良いと思います。

(画像7:放棄分譲地でも、部分的に管理が行われている区画を見かけることはあるが、売却価格の相場を考えれば、その費用の回収は困難。千葉県横芝光町)

「部分放棄」の放棄分譲地であった場合-管理費がある場合は滞納に注意!

より厄介なのが、今も住民や利用者がいる「部分放棄」の放棄分譲地の場合です。これは特に別荘地に多いケースですが、分譲地内の私道や、その他の共用施設などの維持管理のために、更地の区画所有者であっても、管理費を負担しなくてはならない分譲地があります。

ところが今日では、古い分譲地や別荘地では、所有者に連絡が取れなくなってしまった区画が数多くあります。例えば故人が、分譲地の購入後に転居していても、所有する土地の住所変更登記を行っていなかった場合(筆者の経験上、行っているケースのほうが少ないように思われます)、管理組合は連絡を取ることが出来ず、管理費の徴収も出来なくなっていたおそれがあります。

こうした「管理費未納」の土地を売却する場合、その滞納した管理費をどうするのか、これは管理組合によって判断が異なるので一概には言えないのですが、分譲マンションの管理費と同じように、新しくその土地を購入した方に、滞納した管理費の一括清算を求める場合があります。

(画像8:管理費未納区画の土地の利用に厳格な制限を定めた分譲地の立て看板。共用設備の維持と、組合加入者の不公平感の解消のため、滞納者に厳しい措置をとる管理組合は少なくない。千葉県成田市)

これを知らずに、管理組合に話を通さないまま土地の売買を行ってしまった場合、後に買主との間で重大なトラブルが発生する危険性があるので、相続した土地が「部分放棄」であった場合は、近隣住民などにコンタクトを取り、管理組合・自治会の有無や役員の連絡先などを尋ね、処分の意思があることを伝えてください。

近所の方へのアプローチが有効なことも

管理費がなくても、近所の方は道路にまではみ出した雑草や雑木の処理を行っていたりと、放棄分譲地による被害が出ている場合があるので、放棄分譲地の購入者に対しては冷ややかな印象を持っていると思いますが、相続で取得してしまった方にまで、あからさまに非難の態度を見せることはあまりないと思います。

先ほど、放棄分譲地の土地が、近隣住民の方が勝手に菜園や駐車場として使っているケースがあると書きましたが、これも住民の方にしてみれば、そうでもしなければ、放棄分譲地の土地が荒れていく一方で、虫も発生するし、不法投棄や不審火の発生源になるから仕方ないことだ、との思いがあります。

これは、「土地」というものに対する感覚が、都会と田舎で異なるために生じる価値観のギャップでもあります。だからといって法的には、他人の私有地の無断利用が認められるわけではなく、相続した土地とは言え、自分の土地が勝手に他人に使われているのを見ても平気な方はいないと思いますが、近隣への迷惑も顧みず、長年管理をしていなかった点は故人の落ち度とも言えます。不信感を持っていても、それを抑えて冷静にコンタクトをとるのが得策です。

なぜならこのような土地の売買では、処分するために、まずは近所の方に購入をお願いしてみるのがセオリーであり、近隣住民以外では、欲しがる人がどうしても限られるものであるからです。喧嘩腰では手放せるものも手放せなくなってしまいます。

考えようによっては、たとえ無断であれ誰かに活用されている状態のほうが、誰も使わず荒れ果てているよりは話が進めやすいとも言えます。不本意かも知れませんが、手放す大事なチャンスを逃さないためにも、お互いに過去の落ち度は水に流すような雰囲気でお話を進めていくのが良いのかなと個人的には考えています。

「部分放棄」の土地は負担が発生することも

管理費が発生していなくても、全部放棄の分譲地同様、長年整備を行っていなかった土地は、そのままの状態で売却するのは困難です。特に「部分放棄」の場合、寂れているとは言え現役の住宅地・別荘地として、周囲にはまだ、建物は建っていなくとも、土地所有者が長年管理を続け、売地として市場に出されている区画もあります。

そんな土地ですら、10万円、20万円という価格まで値が落ちていた場合、もはや伐採が必要な土地に値段を付けることは難しいです。全部放棄の分譲地同様、なにか整備を行っても、その費用の回収は難しいという前提で、管理・整備を行う必要があります。

一点、全部放棄の分譲地と異なるのは、部分放棄の分譲地は、管理をせず放置したら、近隣住民からのクレームや自治体からの指導が繰り返される可能性が高いことです。全部放棄と比べれば、多少は売却できる可能性が高い一方で、処分までの時間が長引けば長引くほど、金銭的な負担が重くなるものでもあります。

放棄分譲地を処分する際の注意点

相続土地国庫帰属制度は使えるの?

さて、ここまで読んで、仮にそのような分譲地や別荘地を相続してしまったとしても、2023年より始まる「相続土地国庫帰属制度」を利用すれば手放せるのではないか、と考えられる方もいらっしゃるのではないかと思います。

しかし、相続土地国庫帰属制度は、すべての土地の国庫帰属が無条件に認められるという制度ではなく、利用にあたって土地の状態の審査を受ける必要があります。詳しい審査基準に関しては以下の記事で詳述しているのでここでは割愛しますが、放棄分譲地というものは、管理もされないまま荒れてしまい、そのままでは有効活用できる土地とは言えない状態にあるものがほとんどです。

具体的にどのような状態の土地が国庫帰属のための審査に落ちてしまうのか、制度施行前の現時点では推測を重ねるしかないのですが、例えば放棄分譲地の場合、土地の境界がわかりにくくなっていたり、木々が生い茂っていてすぐに使える状態ではなくなっていたりと、審査を受ける上で不利になると思われる要素は数多くあります。

しかし、国庫帰属のための審査を行う国側も、実際に申請される土地の状態について、最初からあらゆるパターンを想定してるわけではありません。不動産というものは、2つと同じものはなく、一口に放棄分譲地と言っても、その状態は土地によって千差万別です。国としても今の時点では、はっきりとした審査基準を明言できない事情があるのです。

制度が開始されたばかりで事例が少ないうちは、極端な話、担当者の解釈の違いだけでも審査結果が異なってしまう可能性も考えられます。国庫帰属制度が、一般的な行政手続きの一つとして確立していない間は、専門家へ相談し、協力を得て申請してみるのが良いと思います。

相続土地国庫帰属制度以外の方法は?

国庫帰属制度以外の手段で処分を検討される場合、現に今も住宅地や別荘地として利用されている分譲地であれば、かろうじて売却ができることもありますが、放棄区画が多数発生してしまうような需要の低い分譲地の場合、現状では値段がつけられないこともあります。

幸運にも、隣地に家屋があって、その住民の方が購入してくれる場合は、少しは有利な条件になるかも知れませんが、だからと言ってそこで変に欲張って高値をつけてしまうと、そんな高いのならいらないよと言われ、せっかくの売却のチャンスを失うことにもなりかねません。

空き地の少ない都市部ならまだしも、空き地だらけの分譲地において、わざわざ隣に建物がある土地を、隣の人以外が欲しがるケースは少ないので、価格について過度な期待や要求は禁物です。実際、価格面で妥協できないまま売却のタイミングを完全に逃してしまい、その後長年にわたって無用な土地を所有し続けている方が非常に多いのです。

全部放棄の分譲地については、そもそも一般的な方法(物件広告や店頭など)で売りに出されるケースはほとんどなく、つまりこれは取り扱う仲介業者が皆無ということです。土地の相場や現状を知るために、地場の業者に問い合わせるのも大事ですが、全部放棄の分譲地を取り扱う業者はまれです。断られても過度に落胆せず、そういうものだと思って別の手段を検討してください。

近年では、インターネットを通じて、不動産の個人売買や、土地の無償譲渡先を斡旋・募集するサービスも登場しています。運営会社に支払う手数料や、条件によっては所有権を移転する際の登記費用の負担(通常は買主が負担するものですが、それだと引き取り手が現れない場合もあるため)が必要になる場合もありますが、一般の不動産会社が扱いたがらない価値の低い不動産でも、別け隔てなく取り扱ってくれるという利点があります。売れる見込みがなければこれらの手段で譲渡を検討しても良いでしょう。

甘い言葉で勧誘する悪徳業者に注意!

しかしここで気をつけなければいけないのが、土地の処分に悩む所有者の弱みに付け込んだ悪徳商法の存在です。「原野商法の二次被害」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、「土地が高値で売れる」「測量をすれば売れる」などの誘い言葉によって、土地の処分に悩む所有者が多額の手数料をだまし取られる被害は、実は「原野商法」の土地だけではなく、各地の放棄分譲地や別荘地の所有者の間でも長年問題になっているのです。

そもそも宅建業法の定めでは、広告費用や調査費用などの、売却までに業者が負担する経費は原則としてすべて「仲介手数料」に含まれるものであって、売買契約が成立する前から土地所有者(売主)に請求し、手数料を徴収することは認められていません。

また「測量をすれば売れる」という誘い文句も鵜呑みにしてはいけません。地価の安い分譲地や別荘地では、測量は行わず、登記簿に記載された面積で売買契約を結び、実測値と多少の誤差があっても不問とする取引(「公簿売買」と呼びます)が一般的です。

むしろ放棄分譲地で測量を行って売買した事例など聞いたことがありません。場合によっては、現地での境界すらはっきり認識できない土地でも、「境界不明示」の土地として売買されるケースすらあります。

全国の放棄分譲地や別荘地の所有者の元には、こうしたあくどい業者からのダイレクトメールやパンフレットがしきりに送付されていますが、そのほとんどが、登記事項証明書を取得して現在の所有者を割り出し、送付しているものです。

要は、土地の買い手を探して利益を上げるのではなく、(本来請求してはならない)手数料を支払ってくれる「売主」を探し、それだけで経営を成り立たせている業者なのです。これは昔から業界内でも盛んに注意喚起が行われていますが、未だ根絶されない営業手法です。

資産としての価値のある土地なら、今日まで何の活用もされず放置されることはありません。繰り返しますが、分譲地の処分について、くれぐれも過度な期待は寄せないようにしてください。甘い誘い文句には用心すべきです。

高いお金を払って土地を購入した方にとっては残念な話ではありますが、今はもう、それこそ、相続した土地の処分に困った方が国に引き取ってもらうことができる制度が創設されるほど、商品としての価値を持たない不動産が増加しているのが現実です。

思い込みだけで判断せず、まずは行動や相談を

そうは言っても、これが不動産の面白いところでもあるのですが、確かに一見すると使い道のないような「負動産」にしか見えないような土地でも、いざ広告を出してみると、自分では想像もしなかった使い道を思いついて、その土地を欲しがる人が現れることもあるものです。

お店などで売られる大量生産の商品と異なり、不動産というものは、1人でも購入希望者が現れれば、その時点でもう「完売」となる唯一無二の商品です。自分では、お金を出して買うことなど考えられないような田舎の分譲地を相続してしまい、戸惑うのは無理もない話ですが、だからと言って思い込みだけで諦めるのではなく、まずは当サイトの記事を参考にしたり、専門家に相談したりして、処分に向けて具体的に行動を起こしてみるのが一番だと思います。

参考

吉川祐介「限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地」(太郎次郎社エディタス)

この記事を書いた人

吉川 祐介

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